Nature ハイライト

Cover Story:構造から機能を知る:タンパク質構造から予測された酵素活性

Nature 448, 7155

新しく発見されたタンパク質の機能は、アミノ酸配列の既知のタンパク質との比較により、予測できることが多い。しかし、既知のタンパク質とまるで関連のみられない酵素の機能予測は非常に難しい。今回J Hermannたちは、計算論的方法を使って、活性未知の酵素の機能が構造から予測可能であることを示している。彼らは、数千種の候補代謝物を高エネルギー中間体の形にして、アミド加水分解酵素スーパーファミリーに属するTm0936という酵素のX線結晶構造と「ドッキング」させた。ドッキング実験から、この酵素は5-メチルチオアデノシンとS-アデノシルホモシステインを脱アミノ化すると予測された。そして、Tm0936に結合した反応生成物の1つのX線結晶構造は、予測された構造と非常によく対応していた。今回の結果は、候補基質の高エネルギー形を使う、構造を基盤とするドッキングが酵素機能のアノテーションに有用となる可能性を示している(Article p.775, News & Views p.762)。

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