Nature ハイライト

工学:待ちに待ったナノ天秤

Nature 446, 7139

ナノスケールの機械共鳴器は、極めて高い分解能で粒子の質量を測定することができ、その感度は数ゼプトグラム(10−21g)に達する。この驚くべき分解能は、病気の診断や環境の監視といった応用にはこれまで使えなかった。こうした応用では流体が存在するので、測定系がうまく働くのに必要な機械振動が減衰してしまうからだ。今回、MITとサンタバーバラにあるInnovative Micro Technology社とAffinity Biosensors社の研究所のチームが、共鳴器の内部に溶液を入れることで、この問題を回避する画期的な方法を考案した。真空中に共鳴器を置き、内部の微小流体チャネル内に目的の粒子を含む溶液を保持させることにより、1個のナノ粒子や1個の細菌の質量をフェムトグラム(10−15g)以下の分解能で測定できる。

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