Nature ハイライト

宇宙:月の内部から噴出したガス

Nature 444, 7116

月からもち帰った標本によって、月の広範囲にわたる火山活動が約32億年前に終息したことがはっきりし、最後に粘度の低い玄武岩が、10億年前より後まで噴出し続けたものの、現在の月は内部プロセスよる影響を受けてはいないと一般に考えられている。それでも、アポロ計画とルナー・プロスペクター計画の双方で、月の内部からラドンガスが放出された証拠が見つかっている。つい数百万年前に「更新された」ようにみえる月の地形を新たに解析した結果からは、そのような更新が起こったのは、月の内部深くまで到達しているひび割れに沿ってガスが突然漏れ出しために、表面の「塵が吹き払われた」せいであることが示唆される。そういった領域には、内部深くを知る手がかりが残されている可能性があるので、今後の探査計画の候補場所として適当ではないかと思われる。

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