Nature ハイライト

材料:多結晶構造の解明法

Nature 444, 7115

工業的に重要な多くの材料は多結晶である。しかし、結晶構造を解明する従来の方法の多くは、単結晶を必要とするため、多結晶の構造解明には使えない。考えられるほかの方法のうち透過型電子顕微鏡法では、これまで単純な構造しか解明されていない。また粉末回折法は、近い回折角のピークが重なるので結果があいまいになる。今回、高分解能透過型電子顕微鏡像から得た位相情報を組み入れたアルゴリズムに、粉末回折データを適用することで、多結晶試料を用いてゼオライトの構造を解明する方法が開発された。この新しい技術によって、知られている中で最も複雑なゼオライトである、ゼオライトTNU-9の構造解明が成功した。

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