Nature ハイライト

Cover Story:330 万年前の子ども:エチオピアのDikika で 見つかったアファール猿人の幼若個体

Nature 443, 7109

我々をヒトたらしめるものの多くは子ども時代に見いだされる。ヒト属の祖先にあたると考えられているアウストラロピテクス属の幼少期の成長状況については、現在のところほとんどわかっていない。しかし今回、エチオピアのDikikaで330万年前のアファール猿人(Australopithecus afarensis)の子どもの部分的な骨格化石が見つかったことで、この状況が変わりそうだ。3歳ほどの女の子のものとみられる頭骨は、アファール猿人(有名な「ルーシー」もこの種に属する)と判定する際の手がかりとなる特徴の大部分が幼若個体の段階にも存在することを示している。足や膝といった残りの骨格部分からは、この化石人類はかなりの時間を二本足で地上に立って過ごしていたものと考えられる。ただし、ゴリラのような肩甲骨や、長くて湾曲した手の指骨から、アファール猿人とその祖先における木登りの重要性について議論が再燃すると思われる[Article p.296, Letter p.332, N&V p.278, www.nature.com/podcast]。また、最新のweb focusはヒト科動物の成長に関するもので、この重要な化石に関する動画も見ることができる[http://tinyurl.com/etubj]。

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