Nature ハイライト

計測学:原子核時計に向けたさらなる一歩

Nature 617, 7962

トリウム229の原子核には、異常に低いエネルギーの励起状態があるため、核状態をレーザーで操作する可能性が開かれる。トリウムのエネルギー準位を利用して、原子核光時計を構築する計画が進められている。トリウム229の物理的性質の大半は測定されているが、それはこれまでビーム内でしか行われていなかった。今回S Kraemerたちは、229ThをCaF2結晶やMgF2結晶に組み込んだ際のこの低エネルギー状態の半減期を測定して、その結果がこれまでの推定値と一致することを見いだしている。これによって、望ましい特性に影響を及ぼさずにトリウムを貯蔵できる可能性が確かめられた。

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