Nature ハイライト

Cover Story:ねじれ因子:形状を調整できる光学的に活性なボウタイをナノシートが形成する

Nature 615, 7952

キャンディーの包み紙のようにねじれたボウタイ型粒子の電子顕微鏡画像。
キャンディーの包み紙のようにねじれたボウタイ型粒子の電子顕微鏡画像。 | 拡大する

Prashant Kumar, Kotov Lab, University of Michigan

キラル分子は、成分は同じだが互いに鏡像になっている構造である。今回N Kottovたちは、自己組織化してボウタイのような微粒子を形成するナノシートを用いて、キラリティーの幾何学的測度を化学構造に使うのが実用的かどうか調べている。このナノシートは、階層的に組織化してナノリボンになり、さらにそれらが積み重なりねじれて、ボウタイに似た形状になる(表紙の画像)。このねじれの方向は、ナノシートを作るのに使った分子のキラリティーに依存する。重要なのは、ボウタイのねじれ角を高度に制御できることである。著者たちは、さまざまなボウタイ型粒子と円偏光の相互作用が、粒子のキラリティー測度に応じて異なることを見いだした。さらに彼らは、今回のボウタイ型粒子を織物の上に印刷して、フォトニック活性メタサーフェスも作り、これがライダー(LIDAR)の基準マーカーの基礎になる可能性があると示唆している。

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