Nature ハイライト

Cover Story:気候公約:現在の公約を完全に実現すれば、温暖化を2°C弱に抑えられるが1.5°Cにはまだ手が届かない

Nature 604, 7905

2015年12月に採択されたパリ気候協定では、地球温暖化を産業革命前のレベルから2°Cを十分下回るように抑え、1.5°Cに制限する取り組みを追及することを、世界中の国々が合意した。しかし、当時の二酸化炭素(CO2)排出量削減に関する各国の公約は限定的だったため、この目標の実現は難しいと思われた。今回M Meinshausenたちは、2015年以降に検討された各国の気候目標を分析し、各国のこれまでの公約が全て十分に実行されれば、温暖化を2°C弱に抑制できることを見いだしている。著者たちはさらに、温暖化を2°Cを十分下回るか1.5°Cに抑えるには、2030年までの公約の強化、こうした公約を果たすための行動、今世紀の中頃までにCO2排出量を正味でゼロにするというより長期的な目標が必要であると思われると指摘している。

2022年4月14日号の Nature ハイライト

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