Nature ハイライト

神経:ドーパミンがなくても起こる喜び

Nature 438, 7069

脳が喜びを感じるのに、シグナル伝達分子ドーパミンは必要ないという可能性が示唆された。これは意外な発見で、これまでの研究によれば、ドーパミンの放出は、食物や性交、モルヒネのような習慣性薬物といった快感を与える刺激と関連があるとされていた。  T Hnaskoたちはドーパミン欠損マウスに特定の環境でモルヒネを与え、このマウスがその場所にどのくらいの頻度で戻るかを調べた。これは、薬物から動物がどの程度の快感を得るかを測定するために通常使われている方法である。実験の結果、このマウスはドーパミン合成能力がないにもかかわらず、モルヒネを投与された場所で過ごす時間が明らかに長かった。著者たちは、今回の結果はドーパミンと快感についてのこれまでの見方を変えることになるだろうと述べている。

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