Nature ハイライト

分子生物学:アンチセンスRNAが持つ調節機能

Nature 594, 7861

天然アンチセンス転写産物(NAT)は、それらと部分的に一致する配列を持つ遺伝子の発現を調節することがある。R Simoneたちは今回、タウをコードする遺伝子MAPTには、哺乳類全体に見られる散在性反復配列(MIR)由来の配列を含むNATもコードされていることを発見した。このRNAであるMAPT-AS1は、MAPTの5′非翻訳領域にあるIRES(internal ribosome entry site)とリボソームへの結合を巡って競合することで、タウタンパク質レベルを低く維持する。ヒトMAPT-AS1の減少は、タウ病変と関連していた。著者たちは、神経変性や天然変性タンパク質に関わる遺伝子と密接に関連するそうしたMIR-NATを数百種類特定した。

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