Nature ハイライト

化学:電極触媒的酸素発生反応におけるバイアスと化学の役割

Nature 587, 7834

酸化イリジウム(IrO2)は、工業的に重要な酸素発生反応用電極触媒である。複雑な速度論が関与することが知られているこの反応が高速で起こる場合、印加過電圧に対する生成電流の指数関数的依存性は、通常はターフェル式を用いて記述され機構的に解釈される。今回T Jonesたちは、この過程の分光法による精査と理論計算に基づいて、印加電位は、酸素発生反応に関与する結合の切断や形成を直接駆動するのではなく、触媒材料に正電荷を蓄積することによって作用すると報告している。この知見は、観測される反応速度が電極触媒に蓄積された電荷の量に依存しており、印加電位の影響を受けない静的材料として扱うことができないことを明確に立証している。今回の知見は、より広く適用され、改良型電極触媒材料の設計に役立つはずである。

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