Nature ハイライト

構造生物学:SARS-CoV-2が受容体に結合する仕組み

Nature 581, 7807

SARS-CoV-2の走査型電子顕微鏡画像。
SARS-CoV-2の走査型電子顕微鏡画像。 | 拡大する

Credit: koto_feja / iStock / Getty Images Plus

今回、SARS-CoV-2が細胞の受容体であるACE2に結合する仕組みが2つの研究によって明らかにされている。X Wangたちは、SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)の結晶構造を2.45 Åの分解能で解明した。一方、F Liたちはスパイクタンパク質(ウイルスの受容体との結合に関わる部分)のキメラを使うという方法によって、同じような構造を明らかにした。このキメラタンパク質では、SARS-CoV-2の受容体結合モチーフがSARS-CoV RBDの骨格中に組み込まれている。2つの研究で得られた構造は共に、SARS-CoV-2がSARS-CoVと似た様式でACE2受容体に結合することを示している。しかし、いくつかの違いも明らかになっていて、これらによってSARS-CoV-2とSARS-CoVの結合親和性の違いが説明されるかもしれない。

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