Nature ハイライト

遺伝学:潰瘍性大腸炎における炎症遺伝子の変異

Nature 577, 7789

佐藤俊朗(慶應義塾大学)たちは今回、慢性炎症性疾患である潰瘍性大腸炎の患者の腸上皮における遺伝的変異を特定したことを報告している。炎症性のIL-17シグナル伝達経路に関与する遺伝子群に、新規変異が集中して見つかった。これらの変異によって、細胞は炎症条件下で選択的に増殖に有利になり、IL-17を介した細胞死応答に選択的に抵抗性になると考えられる。潰瘍性大腸炎の患者は大腸がんを発症する傾向があるが、IL-17経路の構成要素の変異は大腸腫瘍では見られないようである。

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