気候変動の影響:干ばつと疾病が頂点捕食者間に新たな相互作用を引き起こす
Nature 659, 8139 doi: 10.1038/s41586-026-11194-z
種間相互作用は、気候変動が生態系に及ぼす影響を決定する重要な要因として、ますます認識されるようになっている。しかし、気候の摂動が脊椎動物に属する頂点捕食者間の相互作用にどのような影響を及ぼすかについては、ほとんど分かっていない。本研究で我々は、哺乳類の肉食動物(オオヤマネコ)が、頂点捕食者である猛禽類(トビ)と数十年にわたり中立的に共存してきたものの、新興疾患によって両者に共通の餌動物(ウサギ)の個体数が減少すると、トビを盛んに捕食し始めたことを示す。こうした捕食は、干ばつ条件下に限定されており、また、オオヤマネコが猛禽類の巣の下でウサギの残骸を見つけたときに起きていた。これは、潜在的な競争相手の排除と整合する。干ばつによって誘発されたオオヤマネコによる捕食は、猛禽類の生涯繁殖成功度を低下させ、なわばりの放棄と分散を引き起こした。これは、捕食者間での新たな軍拡競争を示唆している。猛禽類の個体数の減少は、昆虫食の鳥類(小型のフクロウ)の個体数増加と関連しており、これは、新たな相互作用の影響がより下位の栄養段階にまで波及し得ることを示している。これらの結果は、食性の柔軟性と移動性が、ストレス要因に対するレジリアンスに関わる重要な媒介要因であることを強調している。将来、人間活動に由来する複数のストレス要因の相乗効果によって、多くの頂点捕食者の相互作用と生態学的役割が再編される可能性があり、それに伴って生態系全体に連鎖的な影響が及ぶ可能性がある。地球規模の変化が将来及ぼす影響を予測する鍵は、行動の柔軟性と、相互作用するキーストーン種が、相互に作用する複数のショックにどのように応答するかを理解することにあるのかもしれない。

