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古生物学:現生の類似生物を用いてモデル化された初期の四肢動物の頸部の可動性
Nature 659, 8139 doi: 10.1038/s41586-026-11158-3
四肢動物は、主に脊索からなる軸柱を持つ肉鰭類から進化し、この移行過程では、頭蓋が肩帯から分離して頸部領域が生じた。この頭部と肩帯の分離に基づいて、四肢動物の出現に際して頸部の可動性が高まり、それがより陸上の生息環境への生態学的移行を促進した、とする仮説が生まれた。しかし、椎骨の構成要素の癒合が不完全なことが、これら初期の四肢動物の頸部の可動性をモデル化する上で問題となっていた。本研究で我々は、初期の四肢動物のものと構成が類似するチョウザメの軸柱で材料試験を行い、ステム群四肢動物全体について頸部領域の側屈、伸展、回旋の能力を予測した。その結果、我々のモデルによって、主に軟組織からなる軸柱は、椎骨の構成要素が癒合していないにもかかわらず、予想外に剛性が高いことが示された。我々は、ステム群四肢動物の大半が、頭部を側方には6°未満、背方には3°未満の範囲でしか動かせず、回旋はできなかったと推定した。注目すべきことに、頸部の可動性の変化は、エウステノプテロン(ユーステノプテロン)に代表されるトリスティコプテルス類の起源と、よりクラウン側のステム群四肢動物の起源の間に起きた頭部と肩帯の分離とは関連していなかった。従って、四肢動物の頸部の可動性は、頭部と肩帯の分離の機能的駆動要因としては作用しなかったことになる。むしろ、初期の四肢動物において示唆されている前肢駆動型のロコモーション(移動運動)の方が、頭部と肩帯の分離の機能的説明としては優れている。

