社会科学:教育的介入は村落の社会的ネットワークを再編し得る
Nature 659, 8139 doi: 10.1038/s41586-026-11154-7
社会的ネットワークは、行動を形作り、情報の伝播に影響を及ぼし、集団行為を下支えする。そして、社会的ネットワークは、これらの領域における介入の設計に活用できる。社会的ネットワークは、次数分布などの基本原理に従うものの、それでも紐帯が形成されたり切れたりすることで変化し得る。今回我々は、ホンジュラスの遠隔地にある110村落の計8331人を対象とした無作為化比較試験を通して、22カ月にわたる公衆衛生介入が既存の社会的ネットワーク構造に及ぼす副次的効果を評価した。我々は、村落ごとに介入を受ける世帯の割合を変える研究設計を用い、誰も介入を受けなかった村落を主要な参照群とした。「低介入率」の村落(介入を受けた世帯の割合が5~30%)では、介入を受けた人々は、それまでは健康に関する助言を求めていた介入を受けなかった人々との紐帯を断つ傾向があった。逆に、高介入率の村落(50~100%)では、介入を受けた人々の紐帯が増加した。こうした平均的な変化は、主に紐帯の動態によって説明される。つまり、介入を受けた人同士のペアでは紐帯が維持され、新たなつながりも形成された一方で、介入を受けた人と受けなかった人の間の紐帯は解消された。媒介分析からは、健康情報の習得によって、紐帯の形成・維持の可能性が高まることが示された。概して、こうした再編のパターンは介入終了後も3年間続いた。さらに、この介入は健康情報を提供するものであったにもかかわらず、健康に関する助言を求めるつながりだけではなく、友人関係や金銭面での紐帯も再編した。総合すると、新たな情報体制の導入は一種の社会制度として機能し、村落全体のネットワークの全体的な次数分布は比較的安定していたにもかかわらず、個人のつながりを組み替えた。

