遺伝学:GPN-Starでゲノム規模の機能的制約を予測する
Nature 659, 8139 doi: 10.1038/s41586-026-11005-5
ゲノム言語モデルは、DNA塩基配列からゲノム規模の機能的制約を直接学習するための強力な手法として登場した。しかし、自然言語処理を応用した標準的なゲノム言語モデルは、大規模なモデルサイズと計算資源を必要とすることが多いにもかかわらず、予測タスクでは依然として従来の進化モデルに及ばない。今回我々は、GPN-Star(genomic pretrained network with species tree and alignment representations)を紹介する。GPN-Starは、生物学的な根拠を持つゲノム言語モデルで、全ゲノムアライメントと種系統樹を活用して進化的関係を明示的にモデル化する、系統関係を考慮したアーキテクチャーを特徴とする。脊椎動物、哺乳類、霊長類の進化的時間スケールにわたるアライメントで訓練されたGPN-Starは、ヒトゲノムのコード領域と非コード領域の両方において、幅広いバリアント効果予測タスクで最高水準の性能を達成した。さまざまな時間スケールにわたる解析から、より最近の進化と、より古い時代にさかのぼる進化のどちらをモデル化することが有利かは、課題によって異なることが分かった。我々は、ヒト遺伝学の進展に寄与する可能性を実証するために、GPN-Starが、病原性バリアントや、ゲノム規模関連解析で特定されてファインマッピングされたバリアントの優先順位付けにおいて従来法よりも大幅に優れており、複雑形質の遺伝率について高い濃縮度を示し、まれなバリアントの関連検定において検出力を向上させることを示す。さらにヒト以外にも対象を広げ、マウス(Mus musculus)、セキショクヤケイ(Gallus gallus)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、線虫の一種Caenorhabditis elegans、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の5種のモデル生物についてGPN-Starを訓練したところ、この枠組みのロバスト性と汎化性能が実証された。総合すると、これらの結果は、GPN-Starがスケーラブルで、強力かつ柔軟なゲノムの解釈ツールであり、増え続ける比較ゲノミクスデータの活用に非常に適していることを示している。

