Article
古生物学:ジュラ紀の遊泳性哺乳型類と、哺乳類の咽頭の変容
Nature 658, 8138 doi: 10.1038/s41586-026-11107-0
今回我々は、中国で発見された中期ジュラ紀の哺乳型類の保存状態の良好な化石と、それによって明らかになった、摂食器官の進化的変容および中生代の哺乳類の生態学的多様性に関する証拠を提示する。哺乳型類は、現生哺乳類に進化的に先行する動物群であり、それらの形態は哺乳類の進化的起源に関して最も重要な知見をもたらす。今回発見された哺乳型類では、獣類様の咽頭円蓋(喉の通り道)および舌骨の骨格構造(喉の骨)が珍しく保存されており、これは、獣類様の食物・液体の嚥下行動や新生仔の吸乳行動に極めて重要な軟組織構造が、現生哺乳類が出現するはるか以前に、梁歯類(ドコドン類)と哺乳類の共通祖先において進化したことを示唆している。この化石は遊泳に特化した特徴を多数示し、これによって、初期哺乳類の骨盤および後肢に関する解剖学的知識に存在した大きな空白が埋められた。この化石にはまた、極めて特異な犬歯および偽裂肉歯型の切断歯という動物食に適した特徴も認められた。我々は、この哺乳型類が水中で遊泳および採餌を行う半水生の動物で、現生のカモノハシに似た生活様式を有していたと解釈する。本種はジュラ紀の哺乳型類としては最大であり、梁歯類の体サイズの範囲を広げるとともに、複数の梁歯類が半水生型やその他の生態形態型によって多様なニッチを利用していたことを示す、近年蓄積されつつある証拠の新たな例となる。梁歯類は、現生哺乳類が多様化を遂げるはるか以前の、恐竜類が支配的であった中生代の生態系において、半水生型やその他の生態形態型の進化が反復して起きていたことを示す初期の例である。

