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電池:リチウムイオン電池の電解質における多Li+クラスター形成の証拠

Nature 658, 8136 doi: 10.1038/s41586-026-11138-7

リチウムイオン(Li+)電池では、電解質のバルク溶媒和構造が、セルの物理的・電気化学的特性を決める主要な因子となっている。こうした特性には、例えば、導電率、粘度、塩の解離とそれに続く反応性、電気化学的安定性窓(従って固体電解質界面相の形成)、ならびに電気化学二重層の組成が含まれる。しかし、実験のみのアプローチでは、この構造を原子レベルで詳細に解き明かすことは難しかった。本研究で我々は、機械学習で可能になった原子論的シミュレーション、核磁気共鳴分光法、電気化学データ、量子化学計算を組み合わせることで、結合した陰イオンを伴わず、とりわけ還元されやすい、これまで研究されていなかった多Li+錯体を明らかにする。この知見によって、経験的に選択された炭酸エチレン含有混合溶媒が成功を収めてきた理由が説明されるとともに、より優れた電解質を合理的に設計するための基盤が得られる。さらに、今回の機械学習力場に基づくリチウムイオン電池電解質のシミュレーションは、パラメーター化に気相クラスターの量子化学計算だけを用いているにもかかわらず、広範な凝縮相実験の結果を正確に再現した。従ってこれは、第一原理から構築した機械学習力場に基づくモデルによって、複雑な化学系を原子分解能で頑健に表現できることの説得力のある実証となる。

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