環境科学:1年間の盲検試験による宇宙からのメタン検出の評価
Nature 658, 8136 doi: 10.1038/s41586-026-11115-0
宇宙からのリモートセンシングによって、世界各地の大規模で集中的なメタン排出源の検出と監視が可能になる。しかし、観測機器とアルゴリズムに対する独立した評価は限られており、新しい人工衛星や人工知能技術は、実験条件を管理した単盲検条件下では試験されていない。今回我々は、放出率9.5~1183.7 kg h−1のメタン放出481件と、ブランク対照265件からなる計746件の試験イベントに関して、1年間の単盲検試験を行った。我々は、米国アリゾナ州において、政府、企業、非営利団体の人工衛星計12機の上空通過に合わせ、計量した量のメタンを放出した。9カ国から参加した15の解析チームによって、2250件を超える推定値が得られた。我々が知る限り、本試験はこれまでに行われた対照試験の中で最大であり、観測機器EMIT、Tanager-1(Carbon Mapper)、GHOStを評価した最初期の試験の1つとなる。機器の性能は一様ではなく、メタンを対象として専用に設計された観測機器は、優れた検出性能(真陽性率92~100%、偽陽性率0~11%)と定量精度(傾き0.83~1.00、平均絶対パーセント誤差44%)を示した。他の用途からメタン観測に転用された機器の性能は、ばらつきがより大きかった(検出率62~88%、平均絶対パーセント誤差46%)が、それでも多くの機器が高い能力を示した。広域陸域スキャナーの検出性能は、試験した放出率では低いものの、全球にわたる一貫した観測範囲と過去のデータアーカイブを持つことから、さらなる研究を行う意義がある。人工知能に基づく手法は有望だが、偽陽性の79%はこれらの手法から生じており、注意が必要である。地上で測定された雲被覆率が20%を超えると、各システムの性能が低下したことから、一部の場所での使用には懸念が生じる。今回の知見は、排出源の位置がおおむね分かっている場合、人工衛星による測定でメタン点排出源を正確に検出・定量できることを示している。

