材料科学:シリコンドープα-(AlxGa1−x)2O3に基づく、バンドギャップが7 eVの半導体
Nature 658, 8136 doi: 10.1038/s41586-026-11085-3
整流用パワーエレクトロニクスにおいて、バンドギャップ(Eg)がより広い半導体はより高い効率と電力密度を実現でき、そのバリガ性能指数はEg5.5に比例する。残念なことに、平衡ドーピング法によって導電率を数桁にわたって制御して変化させられるという半導体の類を見ない能力は、バンドギャップが広がるにつれて実現がますます難しくなる。バンドギャップがより広い半導体の需要の高まりにより、GaN、SiC、AlN、Ga2O3、GeO2など、従来は絶縁体と見なされていた多くの材料が、欠陥密度の低減と適切なドーパントの発見を受けて、有用な半導体として浮上している。今回我々は、亜酸化物分子線エピタキシーによって成長させた、シリコンドープα-(AlxGa1−x)2O3薄膜が、既知の半導体の中で最もバンドギャップの広い立方晶窒化ホウ素の値を上回る、7.0 eVを超えるバンドギャップを示すことを報告する。今回のシリコンドープα-(AlxGa1−x)2O3薄膜は、6 eVを超える巨大バンドギャップ領域では、室温での導電率がこれまでのあらゆる報告値よりも1億倍以上高かった。我々は、巨大バンドギャップのチャネルを有するショットキーダイオードと電界効果トランジスター(AlphaFET)を作製した。これらのα-(AlxGa1−x)2O3薄膜およびそのデバイスは、豊富に入手でき、安価で、非常に優れた品質を持ち、大規模に生産されているサファイア基板を使用するため、巨大バンドギャップエレクトロニクスの開発と普及を促進する。今回の成果は、ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素など、半導体のバンドギャップが広がるほど合成が難しくなり、コストが増大し、得られるサイズが小さくなるという傾向を打ち破るものである。

