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微生物生態学:海洋におけるフコイダンの相乗的分解

Nature 658, 8136 doi: 10.1038/s41586-026-10980-z

フコイダンは、褐藻類および珪藻類が産生する複雑な多糖類の一群で、微生物による分解を受けにくいことから、炭素の長期隔離に寄与している。これらの多糖類の一部を分解することのできる微生物は個別に存在するものの、自然界で完全な分解が可能かどうか、可能であるとすればどのような機構によって分解されるのかについては明らかにされていない。本研究で我々は、フコイダンが、相補的な代謝機能を持つ、それぞれ特化した細菌の間の相乗的相互作用を通して分解されることを示す。我々は、再構築した海洋微生物コンソーシアムのメタボローム解析を用いて、硫酸化フコースからなる主鎖、または微量単糖からなる側鎖のいずれかを選択的に分解する細菌の代謝ギルドを明らかにした。こうした機能的分業により、異なる分解者の間で予想外に多数の相乗的相互作用が生じ、分解効率は最大で97.1%に達した。藻類の種類によってフコイダンの構造は異なるが、分解者の代謝機能は保存されており、群集および基質の組成に基づいて分解の結果を定量的に予測することができた。複数の海洋メタゲノムにおいて、機能が相補的なフコイダン分解者の共存が高頻度で見られることは、相乗的分解が地球規模で意義を持つ戦略であることを示唆している。我々の知見は、環境中での複雑な生体高分子(バイオポリマー)の代謝回転が、分解者の個々の代謝能のみならず、基質の構造によって形作られる生態学的相互作用にも依存することを示唆している。本研究は、海洋における炭素循環の理解、そして難分解性の多糖類を分解する合成微生物コンソーシアムの設計に関する機構的枠組みをもたらすものである。

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