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生物工学:合成タンパク質集合体から、ボトムアップ型のRNA輸送体を作製
Nature 658, 8136 doi: 10.1038/s41586-026-10952-3
進化は、生物システムが生態的ニッチを占めるように導いており、ウイルスはこの原理の最も成功した例の1つである。ウイルスは、遺伝情報を効率的に伝達できるよう、数十億年にわたって進化してきた。ウイルスは極めて多様であるものの、大半のウイルスのキャプシドは、サイズと形状が驚くほど似通う方向に収斂している。これに対して、タンパク質設計のための生成モデルは、自然界には存在しないタンパク質構造の創出を可能にする。今回我々は、人工知能によって設計されたタンパク質集合体に機能を持たせることで、進化の道筋に依存しない核酸輸送体を作り出せるかどうかを検討した。天然のタンパク質ドメインと合成タンパク質集合体を組み合わせ、独自のサイズや形状を持つボトムアップ型RNA輸送体を100種類以上作製した。これらの輸送体のRNA導入効率は、広く使用されている送達担体のRNA導入効率を数桁上回る。我々はさらに、計算によって設計したペプチドバインダーを組み込むことで、これらの輸送体の指向性をプログラムできることを実証し、これを用いて、治療上重要な積み荷RNAを幅広い細胞モデルへと送達した。このうち1つの輸送体について、マウス個体におけるin vivoの分布を単一細胞に近い解像度で示し、その安全性を確認するとともに、これを用いて、患者由来細胞とブタで、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する遺伝子編集治療戦略を実施した。今回の研究は、天然タンパク質の多様性に伴う制約を克服し、望ましい性質を持つRNA輸送システムを合理的に設計・構築するために、生成AIが作り出したタンパク質をどのように活用できるかを示している。

