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がん:ALKを選択的に標的とする脳移行性分子接着性分解剤TRI-611
Nature 658, 8134 doi: 10.1038/s41586-026-10998-3
ALK(anaplastic lymphoma kinase)を標的とするチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん(ALK陽性NSCLC)治療を一変させたが、承認済みTKIによる治療中に病勢が進行した患者に対する選択肢は限られており、異なる作用機序に基づく治療手法が依然として必要であることが浮き彫りになっている。今回我々は、TRI-611が、ALK融合タンパク質を標的とする、強力な作用と脳移行性を備えた分子接着性分解剤であり、この需要を満たし得ることを示す。TRI-611は、キナーゼ活性部位から離れたユニークなデグロン界面を介して、ALKキナーゼドメインとCRL4の基質アダプターであるCRBNとの近接を促進する。TRI-611のこのユニークな結合界面は、既知のCRBNネオ基質や他のキナーゼを含むプロテオーム全体にわたり、ALKに対する選択性をもたらす。TRI-611による処置は、野生型およびALK TKI抵抗型を含む、あらゆる形態のALK融合タンパク質の分解を誘導し、細胞株由来および患者由来のALK陽性NSCLCの皮下・頭蓋内腫瘍モデルで、腫瘍の退縮をもたらした。TRI-611はオルソステリックなALK TKIと併用でき、相乗的かつ持続的な腫瘍退縮を実現する。我々の知る限り、TRI-611は、がん発生性の融合遺伝子を標的とする、臨床開発段階に達した初の分子接着性分解剤であり、ALK陽性NSCLC患者に対する治療選択肢を拡充する可能性を有する。

