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がん:膜溶解性ペプチドが、がん治療のための免疫原性細胞死をプログラムする
Nature 658, 8134 doi: 10.1038/s41586-026-10899-5
革新的な細胞死の様式を促進するための合理的設計は、抗腫瘍療法の進展に大きく貢献し得る。今回我々は、リソソーム膜から細胞膜へと時間差を伴って破裂が進むことを特徴とする、独特な免疫原性膜溶解性細胞死(mLCD)様式を腫瘍細胞で設計・実現した。この手法は、免疫チェックポイント阻害療法をロバストに増強することが分かった。このmLCD様式は、酸応答性の合成膜溶解性ペプチド(aMP)であるaMPC16-CA50によって誘導された。このペプチドは、腫瘍の細胞外環境およびリソソームに対応するpH低下に対し、階層的な応答性を示す。aMPC16-CA50は、腫瘍細胞の炎症性転写プログラムを活性化し、樹状細胞上の主要組織適合遺伝子複合体クラスI分子による抗原提示と、それに続くT細胞活性化を誘導する腫瘍細胞の能力を増強した。膜溶解性ペプチドのpH応答の反応速度論と膜溶解活性は、膜破裂過程の時空間的な調節を介して、溶解する腫瘍細胞の免疫原性を高める上で重要な役割を果たした。さらにaMPC16-CA50は、抗腫瘍免疫応答を促進することを通じて、免疫チェックポイント阻害療法の抗腫瘍効果の増強に大きな利点をもたらした。その上、マウスで全身投与した場合の忍容性も良好であった。以上より我々は、操作可能なpH応答性の合成膜溶解性ペプチドを用いて膜破裂過程を時空間的に調節することにより、腫瘍細胞における独特な免疫原性mLCD様式のプログラム化に成功した。

