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生物工学:ナノポアに固定したペプチドを段階的に短縮しながら逐次読み取る
Nature 658, 8134 doi: 10.1038/s41586-026-10881-1
ペプチド配列の正確な解読は、プロテオミクスにおいて極めて重要である。しかし、ペプチドの組成と構造が複雑であるため、この目標の達成は技術的に難しい。ナノポアによる核酸配列解読の成功に着想を得た研究によって、ナノポアに基づく技術をペプチドのアミノ酸配列解読にも適用できることが示されている。鍵となるのは、ナノポアによる逐次読み取りの際に、分布幅が狭く、一貫性があり、配列に依存する事象を生成することである。今回我々は、tPAL(transient pore analyte looping)と名付けた、ナノポアに基づく戦略を提示する。我々は、スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)のポリンA(MspA)を改変し、ニッケルイオンが結合したニトリロ三酢酸(NTA-Ni)アダプターと標的ペプチドで二重修飾したナノポアを開発した。この独特な感知構造により、複数回の再読み取りを通じて、固定化されたペプチドのN末端を正確に識別できる。コレステロール修飾したアミノペプチダーゼの助けを借りると、固定化ペプチドを1アミノ酸残基ずつ逐次短縮でき、配列依存的で段階的、かつ分布幅の狭い信号変化が得られる。これらの信号変化は、ペプチド配列の解読を可能にする手掛かりを提供する。今回の戦略は、単一アミノ酸分解能を達成し、単一アミノ酸変異、翻訳後修飾、非天然アミノ酸の挿入を効率良く特定した。これは、ナノポアプロテオミクスおよびキラルペプチド解析における汎用性を示唆している。

