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原子核時計:トリウム229核の連続波レーザー吸収分光
Nature 657, 8132 doi: 10.1038/s41586-026-11011-7
トリウム229(Th-229)における低エネルギー核遷移が、トリウムをドープした結晶においてレーザー光を用いて励起されたことで、非常に安定で堅牢な固体光原子核時計の実現に向けた道が開かれた。必要となる波長148 nmのレーザー放射は、現状ではパルスレーザー系を用いて生成されているが、こうした系では、入射光子のごく一部しか、この狭い原子核遷移と共鳴していなかった。今回我々は、この原子核が、連続波(CW)で動作する狭帯域の固体レーザー光源を用いて、1 nW未満の出力で励起できること、そしてその核共鳴信号を、蛍光ではなく吸収によって検出できることを示す。これにより、遅い核蛍光の減衰が検出過程から排除され、迅速な信号取得による時計の動作が可能となる。我々は、フッ化カルシウム(CaF2)結晶中で2つの異なるトリウム中心を評価し、それらの間の異性体シフトを測定した。一方の中心では、静電結晶場勾配が< 0.1 V Å−2であり、これまでに観測された100 V Å−2程度の勾配と比べて極めて小さい。これは、トリウム原子核を取り囲むイオンの対称性が高い中心であることを示しており、格子間隔にほぼ依存しない核共鳴線が期待できる。

