神経免疫学:CD40+MHC-II+アストロサイトによる抗原提示はCNS自己免疫を促進する
Nature 657, 8132 doi: 10.1038/s41586-026-10860-6
アストロサイトは、T細胞によって駆動される中枢神経系(CNS)の自己免疫疾患である多発性硬化症と、そのマウスモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎を含む、複数の神経学的疾患の病態に関与している。しかし、アストロサイトとCD4+ T細胞の機能的相互作用についてはほとんど分かっていない。今回我々は、RABID–seq(rabies barcode interaction detection followed by sequencing)を、単一細胞RNA塩基配列解読、in vitro共培養系、CRISPR–Cas9に基づくin vivoでの細胞特異的な遺伝的摂動研究と組み合わせて、CD40およびMHC-IIを発現するアストロサイトがCNSのT細胞性自己免疫を促進することを立証する。我々は、uLIPSTIC(universal labelling immune partnerships by SorTagging intercellular contacts)を活用して、アストロサイトと相互作用するCD4+ T細胞を解析した。その結果、アストロサイトとCD4+ T細胞の直接相互作用は、実験的自己免疫性脳脊髄炎における病原性17型ヘルパーT細胞応答を増強することが分かった。加えて我々は、これらの相互作用がアストロサイトに及ぼす影響を調べた。我々は、in vivoサブプロテオミクス手法とAlphaFold-Multimerによる予測を用い、CD4+ T細胞が発現するCD40LによってアストロサイトのCD40が活性化されると、PLIN4陽性の脂肪滴の蓄積が誘導されることを明らかにした。これらの脂肪滴はアセチルCoAを供給し、p65のアセチル化に依存するNF-κB活性化と抗原提示を促進する。さらに、単一核RNA塩基配列解読と免疫組織化学によって、多発性硬化症の試料中にCD40+MHC-II+LD+アストロサイトが検出された。まとめるとこれらの研究は、アストロサイトがCNS自己免疫を促進するという、これまで認識されていなかった機構を明らかにしている。

