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地球化学:臨界帯の過程が天然の玄武岩系からのアルカリ度の輸送を制約する
Nature 657, 8130 doi: 10.1038/s41586-026-10936-3
岩石の風化増強(EW)は、二酸化炭素除去(CDR)戦略として提案されており、この方法は土壌に散布したケイ酸塩鉱物(一般的には玄武岩)の溶解に依存する。全球規模でEWによる大規模なCDRを行うには、土壌中で鉱物が溶解する際のアルカリ度の生成と、そのアルカリ度が地下水および河川を通って海洋に到達するまで保存・輸送されることが必要である。野外実験とモデル研究では、砕石を加えた後の地表近傍におけるアルカリ度の生成に重点が置かれてきたが、このアルカリ度の伝達は流域全体の水文学的過程と地球化学的過程によって調節される。今回我々は、自然の火山流域で得られた観測結果を統合し、土壌から河川までの完全な反応経路に沿ったアルカリ度の輸送を評価した。玄武岩集水域で得られたデータは、アルカリ度フラックスが減衰することを実証しており、その結果、アルカリ度の輸送が減少する。この減衰は恐らく、地下流路に沿った移動中、および河川による輸送中に二次粘土鉱物と炭酸塩鉱物が沈殿する結果だと思われる。天然の風化系は人工的なEWの展開とは異なるが、こうした観測結果は、流域規模のアルカリ度の輸送に関する経験的基準をもたらす。今回の結果は、臨界帯の過程が、風化に由来するアルカリ度の輸送効率に影響を及ぼしていることを示しており、EWによるCDRを今後評価するには、流域過程を組み込む必要があることを示唆している。

