Review
人工知能:人工知能による物理学実験の設計
Nature 657, 8130 doi: 10.1038/s41586-026-10898-6
物理学の進歩は長年にわたり、人間の専門家が考案した独創的な実験に駆動されてきた。近年、人工知能(AI)駆動型の設計手法は、少数のパラメーターを調整する段階を超え、全く新しい実験レイアウトを提案する段階へと移行し始めている。そこで発見された構成は、人間が設計した実験系に匹敵する、あるいはそれを上回る性能を示す一方で、確立された設計慣行を覆すものも多い。本総説で我々は、実験設計を、実用上の制約が課された広大なハードウエア構成空間の中から最適解を探索する問題として捉え、次の4つの指針となる問いを軸に論じる。すなわち、(1)十分な表現力を備えた探索空間をどのように構築するか、(2)高速かつ信頼性の高いシミュレーターをどのように構築するか、(3)科学的な目標を計算可能な目的関数にどのように翻訳するか、(4)設計の離散的選択肢と連続的選択肢の両方を探索できるAIベースの探索手法をどのように開発するか、である。これらの問いは、AI駆動型設計を、パラメーター調整からde novoでの発見までのスケールに位置付けるとともに、計算上の扱いやすさ、実験上の実現可能性、解釈可能性および解の信頼性の間に存在するトレードオフを浮き彫りにする。将来的には、複数の物理学分野にまたがるシミュレーターを、大規模な実験目標群と組み合わせることにより、人間の直観だけでは到達することが難しい、型破りな実験概念を発見できる可能性がある。究極的には、AIが設計した実験によって、宇宙を探究する新しい道が切り開かれるかもしれない。

