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遺伝学:ヒトのエンハンサー–遺伝子の調節性相互作用の百科事典

Nature 657, 8130 doi: 10.1038/s41586-026-10781-4

転写エンハンサーとその標的遺伝子を特定することは、遺伝子調節と、ヒトの遺伝的多様性が疾患に及ぼす影響を理解する上で不可欠である。今回我々は、ENCODEコンソーシアムが作出した予測モデル、クロマチン状態、三次元接触、大規模な遺伝的摂動を統合することで、369種類の細胞タイプや組織を網羅した1458の生体試料について、9200万を超えるエンハンサー–遺伝子の調節性相互作用の情報資源を構築して評価した。我々はまず、CRISPR摂動実験で測定された1万356組のエレメント–遺伝子ペア、ファインマッピングされた3万以上の発現量的形質座位、推定原因遺伝子に結び付けられたファインマッピングされた569のゲノム規模関連解析(GWAS)バリアントのデータセットを集約して、予測モデルを比較するための体系的なベンチマークパイプラインを作成した。我々はこの枠組みを用いて、複数の予測課題において最高水準の性能を達成する予測モデルENCODE-rE2Gを開発した。これは、反復的な摂動実験と教師あり機械学習によって、エンハンサー調節について、次第に精度の高い予測モデルを構築できることを実証している。我々は、ENCODE-rE2Gを用いて、ヒトゲノムにおけるエンハンサー–遺伝子の調節性相互作用の百科事典を構築した。これにより、エンハンサーネットワークの全体的な特性が明らかになるとともに、遺伝子間での調節の複雑性の差異が特定された。また、ありふれた複雑疾患について、非コードバリアントを標的遺伝子や細胞タイプに関連付ける解析が改善された。このモデルを解釈した結果、エンハンサー活性と三次元のエンハンサー–プロモーター接触だけでなく、プロモーターのクラスとエンハンサー間の相乗効果も、エンハンサー–プロモーターのコミュニケーションを導く特徴であることが分かった。これらのエンハンサー–遺伝子の調節性相互作用のゲノム規模のマップ、ベンチマークソフトウエア、予測モデル、エンハンサー機能についての知見は、遺伝子調節とヒト遺伝学の今後の研究のための貴重な情報資源となる。

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