細胞生物学:内因的な細胞骨格振動子がニューロンの極性を確立する
Nature 657, 8130 doi: 10.1038/s41586-026-10755-6
ニューロンは1つの神経突起を軸索に指定し、その他の神経突起が樹状突起になることにより、極性を獲得する。しかし、この基本的な非対称性を確立する仕組みについては、まだ明らかにされていない。ニューロンの極性化は主に、外部シグナルを感知する成長円錐に依存すると考えられてきた。本研究で我々は、成長円錐のみがこの過程を決定しているわけではなく、細胞体もニューロン極性化の中心的オーガナイザーとして働くことを示す。我々は、ライブ画像化とin vivoでの遺伝学的機能喪失手法、培養ニューロンでの光遺伝学的制御および局所的細胞骨格の摂動を組み合わせて用いることで、細胞体から開始される振動プログラムが、軸索の選択に重要な役割を果たすことを明らかにした。細胞体でのARP2/3(actin-related protein 2/3)複合体に依存した周期的に発生するアクチン分岐は、全体的なアクトミオシンネットワークを再構築することにより、神経突起を退縮させるアクチン波を生成し、その後アクチン波は単一の神経突起先端に伝播する。神経突起にこの波が到達すると、局所的なアクトミオシンの収縮性が緩和され、微小管による一過的な突出を誘導して、この神経突起の運命を軸索に傾ける。細胞がこの振動段階を脱出すると、この神経突起は全体的な抑制を乗り越えて、ARP2/3複合体とは独立に伸長できるようになり、一方、残る神経突起ではアクトミオシン活性が軸索形成を抑制することにより、それらは樹状突起になる。細胞体によって行われるこの機構は、環境からのシグナルとは独立に、単一の軸索が出現することを保証し、神経回路において情報が一方向に流れることの基盤となっている。

