免疫学:インターロイキン-2–TGFβ代理アゴニストによる免疫寛容の容易な誘導
Nature 653, 8115 doi: 10.1038/s41586-026-10208-0
CD4+制御性T細胞(Treg細胞)は免疫寛容に必須である。末梢で誘導されるTreg細胞(pTreg細胞)は、変化する抗原の状況に対応してTreg細胞の反応性を拡大することで、胸腺由来Treg細胞を補完する。TGFβとIL-2はどちらも、in vitroでは機能的なpTreg細胞の生成を相乗的に促進するが、in vivoにおけるpTreg細胞の発生を誘導するそれらの複合的な役割は、免疫寛容誘導療法に対して利用されていない。今回我々は、IL-2と寄生蠕虫由来の低親和性TGFβ模倣アゴニストとの一本鎖融合タンパク質を作製することで、IL-2–TGFβの「代理」コアゴニストを設計した。このIL-2–TGFβ代理アゴニストは、ANDゲート型コアゴニストとして機能し、IL-2受容体を発現するT細胞で特異的にIL-2–STAT5とTGFβ–SMAD2/3のシグナル伝達を同時にシス活性化することができる。このIL-2–TGFβ代理アゴニストはin vivoにおいて、オボアルブミン(OVA)やミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)35–55で免疫したマウスの末梢リンパ器官内において、抗原特異的、機能的かつ安定したpTreg細胞をロバストに誘導した。誘導されたpTreg細胞は、RORγtの高い発現を伴うエフェクター様の活発な増殖状態を示し、効率的な遊走と腸炎症の抑制が可能となった。このアゴニストによる治療は、アレルゲン誘導性アレルギー炎症や自己抗原駆動型の自己免疫性神経炎症のマウスモデルにおいて免疫活性化を効果的に抑制した。これは、炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患において免疫寛容を確立するために、抗原特異的pTreg細胞をin vivoで誘導する戦略を示唆している。

