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がんゲノミクス:がん治療後の正常組織における体細胞進化

Nature 653, 8115 doi: 10.1038/s41586-025-09792-4

がん治療を含め、外因性の要因が正常組織の体細胞進化にどの程度関与しているのかは不明である。本研究で我々は、高深度のduplex sequencing(3万倍超のシークエンス深度)を用いて、PEACE研究の剖検研究に登録された転移がん患者22人に由来する16種類の器官を網羅した、がんを含まない168検体を解析した。全ての試料において、体細胞変異(変異数は305〜2854の範囲)が低い変異対立遺伝子頻度(中央値0.0000323)で見つかった。16の異なる一塩基置換変異シグネチャーが抽出され、これらは正常細胞のゲノムを形作ってきた過程を反映していた。肝臓ではアルコール誘発性変異の獲得、肺と心臓組織では喫煙による変異誘発、そして治療のタイプと期間に相関する複数の治療誘発性過程が見つかった。治療を含めた外因性の要因は、平均して肝臓での変異の40%以上を占めていたが、脳の試料では10%未満だった。最後に、我々は組織特異的な選択を観察し、肺(PTENおよびPIK3CA)や肝臓(NF2L2)、脾臓(BRAFおよびNOTCH2)などの組織では正の選択が見られ、脳と心臓などの他の組織での選択は限定的だった。全身性の抗がん治療に曝露された正常組織では、ドライバー変異(TP53を含む)の25%以上は治療に起因する可能性がある。免疫療法は変異誘発の増加とは関連していなかったものの、PPM1DとTP53のドライバー変異と関連しており、変異を誘発しない治療が体細胞進化を形成し得ることを示している。我々の研究は、正常組織における変異過程およびドライバー変異が織りなす複雑な様相と、がん治療を含む生涯にわたる曝露が体細胞進化に大きな影響を与えることを示すものである。

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