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生態学:森林と草原と高山山頂の間で異なる好熱化

Nature 653, 8115 doi: 10.1038/s41586-025-09622-7

気候温暖化は生物群集を変化させつつあり、低温適応種が衰退して高温要求種が優勢となる、好熱化(thermophilization)と呼ばれる過程が生じている。生物多様性の応答は気候温暖化に遅れることが多いため、世界各地の多くの生態系で気候負債が蓄積している。好熱化と気候負債は生息環境によって異なると予想できるが、生態系間で標準化された定量評価は行われていない。本研究で我々は、ヨーロッパ各地の森林、草原、高山山頂において、初回調査から12~78年後に再調査が行われた計6067の植生調査区から得られた数十年規模のデータを解析した。その結果、森林下層および草原植物の群落では正の好熱化が見られるものの、統計的に有意ではないことが実証された。これに対し、高山山頂の植生に見られる好熱化ははるかに強く(最大で5倍)、有意なものであった。好熱化は、草原では高温要求種の増加、高山山頂では低温適応種の減少、そして森林ではその両方の過程によって主に駆動されていた。森林と高山山頂では顕著な気候負債が蓄積していたが、草原の気候負債はそれほど蓄積しておらず、気候負債には大気候的な気温変化との正の相関が認められた。我々の知見は、生態系間における好熱化の軌跡の差異と気候負債の増大を明らかにしている。さらに我々は、一部の群落が、他の群落よりも密接に気候変動に追随するのを可能にしている機構を明らかにするとともに、気候温暖化が加速する中で今後の植物群落の変化を予測するための基盤を提供する。

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