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構造生物学:切断前複合体の構造から明らかになったDNAヌクレオチド除去修復の原理
Nature 652, 8111 doi: 10.1038/s41586-026-10122-5
ヌクレオチド除去修復(NER)は、ゲノムDNAからかさ高い付加体を除去し、紫外線感受性疾患である色素性乾皮症やがん、早期老化を防いでいる。ゲノム全体の修復においてはXPCが、転写と共役した修復においては停止したRNAポリメラーゼが、最初に損傷を認識した後に、損傷部位とその周辺のDNA二本鎖がATPアーゼであるXPBとXPDを含む基本転写因子TFIIH、さらにはXPA、XPF、XPG、RPAといったNER因子によって一本鎖状態へとほどかれ、約27ヌクレオチドからなるDNAバブル構造が形成される。次に、DNAの二本鎖と一本鎖の境界を含む枝分かれ構造(ds-ss接合部)を特異的に認識するエンドヌクレアーゼであるXPFとXPGが、それぞれ損傷部位の5′側と3′側でDNA鎖を切断する。今回我々は、ATPアーゼによって駆動される損傷依存的なDNAバブル形成の機能的段階と原子構造、およびDNA鎖が2カ所で切断される際のNER因子全体の配置を報告する。約30塩基対に及ぶDNAの巻き戻しは、主に二本鎖DNAトランスロカーゼXPBと、二本鎖の分離に働くXPAとXPFに依存していた。XPDは5′側のds-ss接合部において、XPFと共に損傷鎖に結合する。XPFによる損傷鎖の切断は、XPGが3′側のds-ss接合部に結合した後でなければ起こらない。XPFのERCC1サブユニットはDNA鎖の分離を促進し、RPAを非損傷鎖に呼び込む。これらの知見は、ヒトの疾患の原因や化学療法の効果を高める標的の候補に関する手掛かりを与えるものである。

