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がん:ZFTA–RELA上衣腫はイタコン酸を作り出して、融合遺伝子の発現をエピジェネティックに促す

Nature 652, 8111 doi: 10.1038/s41586-025-10005-1

ZFTA–RELA+上衣腫は、クロマチンリモデリング因子と推定されているZFTAと、NF-κBメディエーターであるRELAの間で形成される融合遺伝子を特徴とする悪性脳腫瘍である。今回我々は、ZFTA–RELA+細胞が、マクロファージに関連する重要な免疫調節性代謝物であるイタコン酸を産生することを示す。イタコン酸は、シス-アコニット酸デカルボキシラーゼ1(ACOD1;別名IRG1)によって作られる。しかし、腫瘍細胞によるイタコン酸の産生と、その腫瘍固有の役割については、十分に分かっていない。ACOD1はZFTA–RELA依存的に発現上昇する。機能的には、イタコン酸は病原性ZFTA–RELAレベルの維持に不可欠なフィードフォワード系を可能にしている。イタコン酸は、H3K4デメチラーゼであるKDM5の阻害を介して活性型H3K4me3を濃縮することにより、ZFTA–RELAの転写をエピジェネティックに活性化する。ZFTA–RELA+腫瘍はグルタミン代謝を亢進して、イタコン酸合成のための炭素を供給する。ACOD1あるいはグルタミン代謝の拮抗阻害は、病原性ZFTA–RELAレベルを低下させ、複数のin vivoモデルにおいて強力な治療効果を示した。機構的には、ZFTA–RELAはPTENの発現をエピジェネティックに抑制し、グルタミノリシスの既知の駆動因子であるPI3K–mTORシグナル伝達を上方調節する。さらに、ACOD1の抑制、あるいはグルタミン拮抗阻害とPI3K–mTOR阻害を併用すると、脊髄転移が消失した。以上のデータは、ZFTA–RELA+上衣腫が、ZFTA–RELAドライバーの発現を維持するために、マクロファージ様のイタコン酸代謝経路を転用していることを実証しており、これはイタコン酸ががん代謝物の候補であることを示唆している。まとめると我々の結果は、イタコン酸の上方調節を、ZFTA–RELA+上衣腫のこれまでに認識されていなかったドライバーとして位置付ける。本研究は、この脳腫瘍における病原性ZFTA–RELAの発現を低下させるための将来的な薬剤開発に重要な意味を持ち、がんにおける新たな治療依存性クラスとしてのがん代謝物に関する理解を深めるものである。

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