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気候科学:海水準は沿岸災害評価の大半で想定されているよりはるかに高い
Nature 652, 8110 doi: 10.1038/s41586-026-10196-1
海水準上昇などの危険要素が世界の沿岸地域に及ぼす影響は、沿岸の海水準の高さと陸域の標高によって決まる。海水準上昇と沿岸災害の信頼できる影響評価には、両者を正確に統合することが不可欠だが、多くの場合、慎重に検討されなかったり適切に実行されなかったりする。今回我々は、評価された影響評価の99%以上で、海水準データと陸域標高データの扱いが不適切であるため、沿岸標高に対する相対的な海水準の判断が誤っていることを示す。我々の文献評価に基づくと、危険度評価の90%が、実際の海水準測定値を用いるのではなく、ジオイドモデルに基づく沿岸の海水準を想定していることが分かった。我々の全球規模のメタ解析は、測定された沿岸の海水準が危険度評価の大半で想定されているよりも高いことを示している(一般的に使われる2つのジオイドについて、平均オフセット[標準偏差]は、それぞれ0.27 m[0.76 m]と0.24 m [0.52 m]であった)。地域的には、主にグローバルサウスにおいて、測定された平均海水準が全球ジオイドより1 m以上高くなることがあり、インド太平洋で差が最大になっていた。ジオイドに基づく沿岸の海水準の想定と比べると、測定値は、相対的な海水準上昇を1 mと仮定すると、陸域のさらに31〜37%と人口のさらに48〜68%(推定値が7700万人〜1億3200万人に増える)が海面下に沈むことを示唆している。今回の結果は、既存の沿岸影響評価の再評価と研究コミュニティーの基準の改善の必要性を浮き彫りにしており、政策立案者、気候ファイナンス、沿岸の適応策に影響を及ぼす可能性がある。

