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構造生物学:μオピオイド受容体でのリガンド有効性の非平衡状態でのスナップショット

Nature 652, 8110 doi: 10.1038/s41586-025-10056-4

同一のGタンパク質共役型受容体(GPCR)であっても、リガンドが異なると細胞内のシグナルの伝達相手も1つではなく、その活性化の強度もさまざまだが、このような違いを駆動する分子機構は解明されていない。今回我々は、このようなシグナル伝達の効率の違いが、非平衡条件下での中間状態に構造的に捕捉されるのではないかと仮説を立て、時間分解クライオ電子顕微鏡法を用いて、3種類のリガンド(受容体に対して部分的、完全、もしくは超強力な活性化作用を示す)が結合したμオピオイド受容体によるGαiβγヘテロ三量体のGTPが誘導する活性化の様子を可視化した。我々はまず、結合しているリガンドの関数として受容体の動態を可視化できる中間状態も含む、Gタンパク質活性経路に沿ったコンホメーション状態のアンサンブルを解析した。その結果、状態の占める割合やコンホメーションの安定性におけるリガンドに依存した差異が明らかになり、リガンドの効力が高いほど、受容体の膜貫通ヘリックス5および6の動的変化が増大することが分かった。我々はさらに、GTPが誘導する活性化機構におけるGiとGsの重要な違いを明らかにした。これらの違いは、これら2つのGタンパク質タイプに見られる異なる活性化速度論の基盤である可能性が高い。分子動力学シミュレーションと単一分子蛍光アッセイによって裏付けられたこれらの知見から、さまざまな効力を持つリガンドについて、GPCR–Gタンパク質の相互作用の構造の動的景観が明らかになり、部分的活性化作用を持つ作動薬がGタンパク質活性化の過程で「速度論的トラップ」を作り出すことが示唆された。

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