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素粒子物理学:格子QCDによるクォーク–グルーオン結合定数の高精度計算

Nature 652, 8109 doi: 10.1038/s41586-026-10339-4

CERNの大型ハドロン衝突型加速器での陽子–陽子衝突といった、現代の素粒子物理学実験の結果は、基本的な力の観点からの散乱過程の精密な記述に非常に強く依存している。寄与する既知のあらゆる力の中でも、強い核力の理解が限定的であることが、不正確さの主要な原因となっている。基本的レベルでは、強い力は、クォークとグルーオンの理論である量子色力学(QCD)によって記述される。それらの結合定数αsは、高エネルギー域で弱くなる(漸近的自由になる)ので、αsでべき級数展開することが可能になるが、ハドロン束縛状態へのクォークの閉じ込めには通常、モデルにさらなる仮定が必要になる。結果として、実験によるαsの決定には、大きな理論的系統誤差が残る場合がほとんどである。本論文で我々は、低エネルギー実験で得られた入力データと、時空間格子上で行った量子色力学の第一原理定式化に基づく大規模数値シミュレーションとを組み合わせることにより、これまでにない精度で、αsをモデルによらず決定した結果を報告する。この不確かさは、その他の結果を全て組み合わせたものの約半分であり、モンテカルロ法による統計的評価に主に起因するもので、確率論的に明確に解釈される。αsに関する今回の結果は、格子量子色力学を用いた低エネルギーでのハドロン物理学と、摂動展開を用いた高エネルギー散乱の両方を記述する。αsに関する今回の推定値は、理論的な不確かさの原因が取り除かれたことによって、多くの高エネルギー実験の解析を大きく向上させる可能性がある。これは、未知の物理現象による微小な効果が発見される可能性に寄与するだけでなく、標準模型の厳密な精密検証を可能にする。

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