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古気候学:10年スケールの干ばつがサハラにおけるアフリカ湿潤期を中断させた
Nature 652, 8109 doi: 10.1038/s41586-026-10336-7
前期完新世から中期完新世にかけて、サハラ地域とサヘル地域は、アフリカ湿潤期(AHP)と呼ばれる湿潤期にあった。AHPは、約1万4800年前に始まり、9000年前~6000年前にピークを迎え、短期間の干ばつを伴っていたが、そうした干ばつの時期と期間は今のところほとんど絞り込まれていない。今回我々は、AHPが、約9300年前と約8200年前に起きた10年スケールの2度の干ばつ、および6300年前と暫定的に特定されたまた別の干ばつによって中断されたことを示す。今回の結果は、チャドのヨア湖から得られた、過去1万250年分を連続的に網羅する年縞(1年ごとに積み重なった層)を持つ堆積記録のマルチプロキシ時系列解析に基づくものである。8200年前におけるより顕著な干ばつの際、花粉および珪藻のデータ、ならびに葉蝋同位体および地球化学的供給源域の指標は、局所的な降水量とヨア湖への河川供給の減少が、湖水位の低下を引き起こし、これに伴って湖岸沿いでヨシ帯が拡張したことを示唆している。これらのプロキシデータと我々の気候シミュレーションを合わせると、8200年前における干ばつイベントは、北大西洋への突然の淡水流入に起因する大西洋の南北方向の鉛直循環(AMOC)の潜在的な弱体化に対する、直接的かつ速やかな応答であったことを示唆している。今回の結果は、将来のそうした干ばつリスクをより正確に予想するために、10年予測の改善が必要であることをはっきりと示している。

