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超伝導:化学量論的FeTeは超伝導体である
Nature 652, 8109 doi: 10.1038/s41586-026-10321-0
鉄系超伝導体(FeSC)は、複数の電子バンドと強い反強磁性(AFM)相関が、反強磁性、電子ネマチック性、および非従来型超伝導といった競合する基底状態の鍵となる成分である興味深い材料群である。FeTeは、超伝導性を示す同構造であるFeSeとは異なり、超伝導性を示さないAFM金属であると長らく見なされてきた。今回我々は、分子線エピタキシー(MBE)を用いてFeTe薄膜を成長させ、成長後にTeフラックス下でアニーリングを行った。そして我々は、スピン偏極走査型トンネル顕微鏡法および分光法(STM/S)を実行することによって、成長させたままの(as grown)FeTe薄膜におけるAFM秩序が、理想的な1:1の化学量論的組成を乱す格子間Fe原子によって誘起されることを実証する。特筆すべきことに、これらの格子間Fe原子をTeアニーリングによって除去すると、AFM秩序を示さず、代わりに臨界温度約13.5 Kのロバストな超伝導性を示す化学量論的なFeTe薄膜が得られた。この超伝導状態は、クーパー対トンネル効果、ゼロ電気抵抗、およびマイスナー効果の観測によってさらに確認された。従って今回の結果は、化学量論的FeTeが本質的に超伝導体であることを実証しており、FeTeがAFM金属であるという長年の見解を覆すものである。今回の成果は、FeTe系ヘテロ構造における超伝導の起源を明らかにするとともに、FeSCにおける反強磁性と超伝導との間の競合関係を理解する上で、化学量論的制御が重要であることを実証するものである。

