Article

有機化学:ボロン酸エステルの立体特異的アルキル–アルキルクロスカップリング

Nature 652, 8109 doi: 10.1038/s41586-026-10261-9

アリールボロン酸エステルのクロスカップリングは、化学者が分子を形成する方法の基礎となっている。より最近では、エナンチオリッチなボロン酸エステルが、多様な分子を速やかに構築するための汎用的な構成要素として、モジュール合成において大いに期待を集めている。この分野における重要な課題は、ボロン酸エステルを用いて、特に反応部位が不斉炭素中心であるようなC(sp3)–C(sp3)結合を触媒的に構築することである。この課題への取り組みは、有機骨格のモジュール合成においてボロン酸エステルの有用性を拡張するばかりでなく、天然物や生物活性分子の合成においてもより広範な利益をもたらすことが証明されると思われる。これに関連して、我々は、銅アセチリド錯体によって触媒される立体特異的C(sp3)–C(sp3)カップリング反応を開発した。この反応は、4配位ボロン「アート」錯体と共に進行する一方で、ボロン酸エステルを含む単純な官能基に対して不活性なままであり、従って、複雑な分子のモジュール合成のための効率的な戦略が可能となる。我々は、(−)-スポンジデプシンおよびフルビルシンA1の炭素骨格の合成への応用について説明する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度