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素粒子物理学:CMS実験によるWボソン質量の高精度測定

Nature 652, 8109 doi: 10.1038/s41586-026-10168-5

素粒子物理学の標準模型では、弱い相互作用を媒介するWボソンとZボソンの質量の関係は一意的に決まっている。未発見の重い粒子の量子ループによってこの関係が修正を受ける可能性があるため、それらの質量を精密に決定することは重要である。Zボソンの質量は、22 ppm(2.0 MeV)という非常に高い精度で知られているが、既知のWボゾン質量の精度はそれよりもはるかに低い。測定された電弱可観測量へのグローバルフィットから予想されるWボソン質量には6 MeVの不確かさがある。実験精度をこれと同等にまで高めることは、標準模型の極めて高感度かつ根本的な検証となる可能性があり、特に最近、フェルミ国立加速器研究所のテバトロン衝突型加速器におけるCDFコラボレーションの測定結果が、そうしたグローバルフィットの予測に疑問を投げ掛けるものであったことから、この検証の重要性はいっそう高まっている。今回我々は、2016年に13 TeVの陽子–陽子衝突エネルギーで収集されたW → μν事象の膨大なデータセットに基づく、CERNの大型ハドロン衝突型加速器におけるCMSコラボレーションによるWボソン質量の測定結果を報告する。今回の測定では、W崩壊で生成されたミューオンの運動学的性質に対する高粒度の最大尤度フィットを利用した。我々は、実験による効果の正確な決定と、理論入力に対する際立ったin situ制約を組み合わせることによって、8万360.2 ± 9.9 MeVというWボソン質量の精密な測定結果を達成し、これは標準模型の予測と一致する。

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