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大気科学:低いすす排出レベルにおけるかなりの飛行機雲形成
Nature 652, 8108 doi: 10.1038/s41586-026-10286-0
飛行機雲巻雲は、航空による気候強制の主な要因の1つである。しかし、最新の希薄燃焼エンジンを搭載した航空機の後に形成される飛行機雲の氷結晶の数は分かっていない。理論による氷結晶数の予測には4桁に及ぶ幅があり、そのため、関連する気候影響が予測不能となっている。今回我々は、希薄燃焼によって、従来のリッチ–クエンチ–リーン・エンジンと比べて排出されるすす粒子数は3桁減少するが、揮発性粒子や飛行機雲の氷粒子の数は大きくは減少せず、どちらも燃焼した燃料1 kg当たり1015粒子を超え得ることを示す。我々の知見は、希薄燃焼エンジンを搭載したA321neo航空機の後方での飛行中観測によるものであり、実験室での研究結果を現実世界で確認するとともに、理論的予想の幅を狭めている。得られた結果は、試験した希薄燃焼エンジン構成のみでは飛行機雲による温暖化効果を低減できそうもないことを示しており、燃料の成分と潤滑油の排出構造の改善が必要になる可能性を示唆している。我々は、低硫黄燃料を用いることで低すす状況における飛行機雲の氷粒子の数を低減でき、有機燃料の成分と潤滑油蒸気が飛行機雲の氷粒子の数を増加させ得ることを示す。今後の研究では、すすとは別に、揮発性粒子の低減がどのように飛行機雲の氷形成に影響を及ぼすかを調べるべきである。

