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アト秒科学:アト秒分子光イオン化におけるエンタングルメントと電子コヒーレンス
Nature 652, 8108 doi: 10.1038/s41586-026-10230-2
分子の光イオン化に起因する電子コヒーレンスは、アト秒電荷移動過程の根底にあり、電荷指向型反応の制御に向けた経路となり得るものとして広く調べられている。しかし、光イオン化では、エンタングルしたイオンと光電子が生成されることが多い。このエンタングルメントによって、イオン内の、またはそれらに付随する光電子のコヒーレント超高速電子ダイナミクスを探る能力が損なわれてしまう。今回我々は、位相ロックされた一対の孤立アト秒レーザーパルスと少数サイクル近赤外(NIR)レーザーパルスの組み合わせによる水素分子のイオン化についての実験と計算を提示する。解離するH2+イオンにおける電子コヒーレンスは、イオン–光電子エンタングルメントに影響される。我々は、2つのアト秒パルス間の遅延と、これらのパルスと少数サイクルNIRパルスの間の遅延を変化させることによって、エンタングルメントの度合いの実験的制御を実証した。今回の成果は、アト秒実験における電子コヒーレンスを最適に観察するために、量子エンタングルメントの役割を適切に考慮することの重要性を実証している。

