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ウイルス学:蚊とキャプシドの相互作用がフラビウイルスの媒介者の特異性に関与する

Nature 651, 8107 doi: 10.1038/s41586-026-10100-x

蚊の多くの種は、多数のフラビウイルスを運んで伝播する能力のある媒介者として働く。蚊の体内でフラビウイルスの感染力を促進する基本因子の特定や、例えばデングウイルス(DENV)に対するネッタイシマカ(Aedes aegypti)のように、蚊とフラビウイルスの間で自然に見られる種間特異性に寄与する遺伝的基盤など、いくつかの長年の科学的な疑問はまだ解決されていない。本論文で我々は、血中を循環している成熟ビリオンは蚊の血リンパの酸性度によって不活性化されており、従って、複製能を有するウイルスヌクレオキャプシドを運ぶ細胞外小胞が細胞間のウイルス伝播の主要な手段となることを報告する。機構としては、蚊のVCP(valosin-containing protein)がウイルスキャプシドに結合し、それによってヌクレオキャプシドを細胞外小胞へ取り込むことができるようになる。フラビウイルス(例えばDENV)のキャプシドは、その本来の媒介者であるネッタイシマカのVCPに選択的に結合するが、媒介能力のない媒介者(例えばネッタイイエカ〔Culex quinquefasciatus〕)のVCPには結合しない。DENVのキャプシドを日本脳炎ウイルス(JEV)のキャプシドに置き換えると、DENVはJEVの本来の媒介者であるネッタイイエカの血リンパにおいて感染性を持つようになった。さらに、ネッタイシマカのVCPのD723/N728とネッタイイエカのVCPのE723/E728という2つのアミノ酸残基がウイルスキャプシドへの結合特異性を決定しており、その結果としてフラビウイルスに対する蚊の種間特異性が生じることが分かった。in vivoでネッタイイエカのVCP変異体E723D/E728Nを異所性発現させると、ネッタイイエカは胸部マイクロインジェクションを介してDENV2に感染するようになった。我々の研究は、媒介者である蚊とフラビウイルス種の間の選択性と適合性に関与する主要な分子機構を示し、これによってウイルスが血体腔へ到達した後に全身性のウイルス伝播が可能になる。中腸レベルでの特異性を決定する上流の機構は、今後の解明課題である。

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