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極低温原子:極低温双極性分子の自己束縛液滴の観測
Nature 651, 8106 doi: 10.1038/s41586-026-10245-9
双極性分子の極低温気体は、新たな量子相の実現に向けたプラットフォームになると長く考えられてきた。分子を非弾性損失から保護する衝突遮蔽技術における近年の進展によって、縮退フェルミ気体、そしてより最近では双極性分子のボース・アインシュタイン凝縮の生成が可能になっている。しかし、極低温分子気体において双極子–双極子相互作用によって駆動される量子相の観測は、現状では依然として困難である。今回我々は、双極性の強いナトリウム–セシウム分子の極低温気体において自己束縛液滴と液滴アレイを形成したことを報告する。分子ボース・アインシュタイン凝縮体から出発し、マイクロ波ドレッシング場を使用して、強度と異方性を制御できる双極子–双極子相互作用が誘起された。我々は、相互作用を誘起する速度を4桁のダイナミックレンジにわたって変化させることで、平衡状態と非平衡状態で液滴を調製し、一次元のロバストなアレイから二次元のゆらぎ構造への遷移を観測した。これらの液滴は、最初のボース・アインシュタイン凝縮体よりも最大100倍の密度を示し、強相互作用領域に達するとともに、量子液体または結晶状態の可能性を示唆している。今回の成果は、極低温分子を双極性の強い量子物質を探究する系として確立するとともに、自己組織化結晶相や光格子における双極性スピン液体の実現への扉を開く。

