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細胞生物学:ヘパラン硫酸と複合体を形成したglycoRNAが、VEGF-Aシグナル伝達を調節する

Nature 651, 8106 doi: 10.1038/s41586-025-10052-8

ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)は、陽イオン性のヘパラン結合ドメインを持つ、幅広い増殖因子やサイトカインに対する細胞膜係留型の重要な補助受容体と考えられてきた。しかし、HSPGが細胞表面でどのような機構によりシグナル伝達を仲介するのか、特に細胞表面のRNAとの関わりについてはほとんど解明されていない。発生過程や疾病過程では、ヘパラン硫酸結合因子の1つである血管内皮増殖因子(VEGF-A)が、内皮細胞の増殖と血管新生を調節する。VEGF-Aの結合と活性の内皮細胞を介した選択性に関する調節の枠組みについては、陰イオン性のヘパラン硫酸鎖の選択的硫酸化の解明に主たる重点が置かれてきた。今回我々は、細胞表面にある新しいクラスの陰イオン性抱合体である糖鎖修飾RNA(glycoRNA)と細胞表面のRNA結合タンパク質(csRBP)が組織化される際の法則を調べた。そして、ゲノム規模のノックアウトスクリーニングを利用することにより、ヘパラン硫酸の生合成、特に6-O-硫酸化型のヘパラン硫酸鎖が、glycoRNAとcsRBPからなるクラスター(細胞表面リボ核タンパク質〔csRNP〕)の形成に不可欠であることを見いだした。その作用機構として、これらのクラスターはVEGF-A下流でのヘパラン硫酸を介するERKシグナル伝達の活性化に拮抗することが分かった。さらに我々は、VEGF-A165のヘパラン硫酸結合ドメインがRNAと結合する役割を担うこと、この相互作用を破壊するとERKシグナル伝達が強化されて、in vitroでもin vivoでも血管の発生が妨げられること、そして、これが種を超えてよく保存されていることを実証した。従って、この研究により、VEGF-Aが駆動する血管新生の際に、csRNPがヘパラン硫酸を介したシグナル伝達を負に調節するという、これまで知られていなかった調節軸が明らかになった。

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