Article
神経科学:末梢血液細胞による脳脂質の睡眠に依存した除去
Nature 651, 8106 doi: 10.1038/s41586-025-10050-w
睡眠は脳を中心としたレンズを通して見られることが多く、末梢の役割についてはよく分かっていない。今回我々は、ショウジョウバエ(Drosophila)の循環中のマクロファージ様細胞(ヘモサイト)に睡眠機能があることを特定した。すなわち、ヘモサイトは睡眠中に脳へ移動し、覚醒に関連した酸化損傷によって皮質グリアに蓄積した脂質を取り込むことを示す。我々は、ヘモサイトに発現している食作用受容体のスクリーニングを通じて、Nimrod受容体ファミリーの一員であるeaterをノックダウンすると、睡眠が減少することを見いだした。eaterの欠失はまた、ヘモサイトの脳への局在化と脂質取り込みを阻害し、その結果、脳内のアセチルCoAおよびアセチル化タンパク質(ミトコンドリアタンパク質のPGC1αやDRP1など)のレベルが上昇した。高酸化状態とNAD+減少に反映されるミトコンドリアの調節異常は、記憶と寿命の減弱を伴っていた。従って、哺乳類のミクログリアの前駆体であると我々が示唆する末梢血液細胞は、脳機能と適応度を維持するための睡眠の日常的機能を担っている。

